鶏がどこから来たのか知っていますか?ー鶏農場見学した記者の報告ー

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お皿に盛られたチキン料理が、そのような形になる前に鶏がどのような一生を強いられてきたのか、どのくらいの人が本当のことを知っているのでしょうか?

彼らの生活に自然なことは何もありません。

彼らは汚れを落とすために砂を浴びたり、太陽の光を感じたり、新鮮な空気を吸い込むことはできません。

そして、彼らはできるだけ早く大きくなるように操作されているので、体重は骨が支えられる重さを超え、足が傷み立ち上がれなくなった鶏は、鶏舎の床のアンモニアによる皮膚のやけどに苦しみます。

彼らの心臓も異常なスピードで成長する体重に対応できず心不全をおこすことは珍しくありません。

以下は、鶏農場を見学した記者の報告(抜粋) です。

Do people know where their chicken comes from?

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低い金属製の長い屋根が続く小屋には、大きなプラスチック製のドラム缶やパイプがあり、煙突からは煙が流れていて、素人には小さな化学工場のように見えます。

この小屋の中に生き物がいることを示す唯一の感覚は、ファンから排出される、ペットショップのような糞尿が混ざった刺激的な臭いです。

この施設は塗料や肥料の工場ではありません。ニワトリを飼育する鶏農場です。

わずか生後33日から38日の間に平均2.2kgに成長したヒヨコは、すでに屠殺できる状態になっています。

鶏農場は、私たちのほとんどが農場として考えるようなものではありません。

“Applied Group”という養鶏会社は2つの鶏農場を運営しています。

鶏達は屋外に出ることはなく、すべては4つの大きな小屋の中で飼育され、年間125万羽の鶏を屠殺場に送っています。

英国で食べられるほぼすべての鶏肉は、このような場所で飼育されています。

Compassion in World Farming (CWF)のディレクターであるDil Peeling氏は言います。

このような養鶏は、閉ざされたドアの後ろで行われています。人々からは隠されているのです。

一般的には、農場で鶏が自由に地面を蹴っているというイメージが未だに残っています。

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英国家禽評議会によると、英国の鶏肉生産量のうち、放し飼いが5%、有機栽培が1%を占めています。残りの94%は養鶏農場で飼育された鶏です。

肉用鶏農場の飼育方法は、採卵鶏の、放し飼いとオーガニックが生産量の45%を占める飼育とは対照的です。

日本では、採卵鶏は95%がケージ飼育ですが、肉用鶏ブロイラーの場合は99.9%が平飼い飼育です。しかし、これは、鶏が自由に行動できる放し飼いではなく、ブロイラー達は、同じ孵化日の雛がひとつの小屋に詰め込まれ、屠殺可能な大きさになれば全て出荷する方法が主流です。

英国では年間7億5千万羽のブロイラーが屠殺されています。

農水省「食鳥流通統計調査(平成30年)」によると、日本における肉用若鶏の全国の処理羽数は7億57万1千羽です。

養鶏業界の多くは、一般からの農場見学に神経質で、鶏舎の中を見学できる人はほとんどいません。

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出典:https://www.bbc.com/news/magazine-29219843

英国家禽協会との長期にわたる対話の後、今回の訪問が手配されました。

外側の建物の最初のドアが制御室につながっています。

複数のCCTVカメラの映像が映し出されたテレビ画面には、これから訪れる小屋の様子が映し出されており、常に更新される情報がリストアップされています。

小屋の中には33,426羽の鶏がいました。農家によると、前日までは4万5千羽いましたが、30%を屠殺したそうです。残りの鶏は生後34日でした。

ドアを押して小屋を開けると、一瞬、足元の動くクリーム色の白い塊が何なのかわかりませんでしたが、やがて、びっしりと床を埋め尽くした鶏の姿が見えてきました。

飼育小屋は、長さ100m、幅23mと巨大で、見渡す限りの鶏の海が広がっています。

1つの小屋で年間7サイクル鶏を飼育し、それぞれ約31万羽を屠殺していますが、飼育中に、全体の約3.3%が自然死します。

訪問したときは、30%の鶏が屠殺場に送られた後だったので、鶏と鶏の間にわずかなスペースがありましたが、フルに詰め込まれている時は過密状態となるでしょう。

それでも合法です。EU の規則で許されている最大値は42羽/㎡です。

英国では 39羽/㎡ と、さらに厳しく制限されており、集中的な養鶏場の 90%が採用しているレッドトラクター(英国の「Assured Food. Standard」が運営する認証制度)では38羽/㎡  を超えてはならないとされています。

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『Eating Animals』の著者である米国の作家ジョナサン・サフラン・フォア氏はこう指摘しています。

米国では、80年前の150倍の鶏を食べている。中国やインドが米国の消費量に追いつけば、集中的に飼育されている鶏の数は年間1000億羽に達するだろう。


『Omnivore’s Dilemma(雑食のジレンマ)』の著者であるアメリカの作家、マイケル-ポラン氏は、

畜産動物の肉を食べるときは、畜産の事実を知らないまま英雄的な行為をするか、または、事実に目をつぶり忘れるしかない

と書いていますが、ほとんどの人々は心の底で知らないこと望んでいるでしょう。

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フードライターのジョアンナ・ブライズマン氏は、

鶏がどのように飼育されているかを見れば、ほとんどの消費者は過密状態で飼育された鶏肉を食べないでしょう。

と言います。

小屋に押し込まれた過密飼育の鶏、遺伝子操作による異常な成長、鶏たちの苦痛など、畜産農場で飼育された鶏肉について人々を動揺させるものはたくさんあります。

しかし、人々はそれに気づかないために、「数の安全性の哲学」に従っていると彼女は主張しています。

これが当たり前のことならそれでいいのではないか。あまり深く考えたくない。