コロナウイルスパンデミックは動物実験から脱却する重要な機会

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United for Animals in Labsは、4月20日から4月26日の「World Week for Animals in Laboratories(実験室の動物のための世界週間)」に、コロナウイルスワクチンの研究から動物実験を除外するよう科学者に求めました。

動物を犠牲にしない、疫学研究、コンピュータを使った技術、ヒト細胞や組織の培養、組織工学、マイクロ流体工学など、より効果的な代替手段は既に利用できる状態にあると提案しています。

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先日、シアトルのカイザー・パーマネンテ病院の4人の患者に、最初のコロナウイルスワクチンが打たれました。

このワクチン「mRNA-1273」は、動物実験を行わずに、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)とModerna Therapeutics社 によって共同開発されたものです。

しかし、より効果的な代替品が容易に入手できるようになったにもかかわらず、現在進行中のコロナウイルスパンデミックにより、動物を用いた研究に何百万ドルもの資金が投入されています。

ウイルス

Animal Justice Project科学顧問のDr. Andre Menache 氏は次のように述べています。

コロナウイルスの大流行は、医学研究のやり方を見直す重要な機会です。

臨床試験は通常、新しい治療の毒性と有効性を評価するために、いくつかの「前臨床」段階を経て行われます。

これらのステップの一つに動物実験があります。

規制要件は、1947年の「Nuremberg Code(ニュルンベルク綱領)」にまで遡り、今日でも国内および国際的な法律の規範となっています。

しかし、米国食品医薬品局によると、動物実験に合格した10種類の医療用医薬品のうち、ヒトを対象とした臨床試験では9種類が不合格となっています(有効性の欠如や動物では見られなかった副作用が原因)。

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動物実験の有効性については業界からも疑問の声が寄せられています。

米国で成功を収めているバイオテクノロジー企業、モデナ社のメディカルディレクター、タル・ザクス氏は、

 動物モデルで安全性を証明することが、臨床試験に持ち込むための重要な道筋だとは思えない。

と述べました。

また、「Ethics & Human Research」の編集者であるKaren Maschke氏も、

動物実験ではヒトにどう効くかを予測することができないことが多い。

と指摘しています。

Researchers rush to test coronavirus vaccine in people without knowing how well it works in animals

米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長であるBarney Graham氏は、

標準的な実験用マウスでは、人間の新しいコロナウイルスを捕らえることはない。

と指摘します。

Coronavirus Update: Vaccine Skips Important Animal Testing Phase, Straight To Human Trials

ビーグル犬

Andre Menache 氏は言います。

今は、20世紀の概念といえる「動物モデル」から脱却し、問題となっている「人間」に焦点を当てる絶好の機会です。

人間の病気を動物で再現しようとすることは、科学の倒錯であり、人間の免疫システムなど生体を構成する複雑なシステムを完全に誤解しています。

動物は種ごとに複雑なシステムをもつため、他の動物のモデルとなることはできません。

ヒトの間でも、COVID-19に対しては、子供と大人、男性と女性の間には決定的な違いがあります。

フェレット、サルやマウスで実験するよりも、21世紀の高性能技術(代替実験)に投資する方が、よりインテリジェントであり、はるかに科学的です。

フェレット

代替法の一例が、ヒトの免疫システムの試験管内モデルである「MIMIC」(Modular Immune In vitro Construct)です。

An immunologic model for rapid vaccine assessment — a clinical trial in a test tube.

VaxDesign企業開発担当副社長であるMichael Rivard氏は言います。

この試験で得られる情報は、マウスの試験で得られる情報をはるかに超えています。

先進の試験管外技術は、規制レベルで認められるためには85~90%の予測率を目指さなければなりませんが、FDAによると「動物モデル」は10%の予測率しか達成していません。

21世紀の新興疾患に直面している私たちの健康を守るために、生物医学研究における現在のパラダイムを変える時が来ています。

おそらく、COVID-19の大流行は、時代遅れの科学的慣行と、それを未だに押し付けている時代遅れの規制に疑問を抱かせるきっかけとなるでしょう。