クジラやイルカ30万頭が犠牲に【プラスチック削減】世界の取組み

プラスチック問題Environment

日本では、2020年7月1日から、小売店などで配布されるプラスチック製買物袋の有料化が実施されます。

当初、プラスチックはその寿命の長さが評価されていましたが、現在、その寿命の長さが多くの問題をひきおこしています。

ポリ袋は、分解に1,000年かかると言われています。つまり、これまでに生産されたプラスチックは、今もなお一つ残らず分解されずに存在しているということです。

今回は、プラスチック問題の現状と、問題解決にむけた各国の取り組みをシェアします。

プラスチック問題

プラスチック問題の現状

国連環境計画によると、プラスチックの生産量は1970年代から1990年代の間に3倍以上に増加しました。

「1950年代初頭から83億トン以上のプラスチックが生産され、そのうちの約60%は埋め立て地や自然環境に廃棄されている」と述べています。

Our planet is drowning in plastic pollution

特にシングルユースプラスチックは、衛生的だという理由から、環境への影響が懸念されるなか、ストロー、ボトル、カトラリー、食品容器、コーヒーカップ、ポリ袋などあらゆる物に使われています。

プラスチック

また、5mm以下の小さなプラスチック片であるマイクロプラスチックは特に問題です。マイクロプラスチックは、海や川、そして私たちの食べ物の中にすでに広く存在し、生分解されないため無限に循環しています。

「マイクロプラスチック粒子の多くは、海洋生物や家畜が食べ物とともに体に取り込み、私たちの食卓にあがってしまいます」と国連環境省は言います。

また、大きなプラスチックの破片は、絡まったり食べたりすることで海洋生物に害を及ぼしています。アザラシ、クジラ、イルカ、そしてもちろん魚も影響を受けます。

プラスチック

漁業はプラスチックによる海洋汚染の脅威となっています。オーシャンクリーンアップキャンペーンのために収集されたデータによると、海のプラスチックの50%以上が漁具の廃棄物であることがわかっています。

WWFは、「廃棄された漁具が絡みつき、年間、世界中のクジラやイルカ少なくとも30万頭が、命を奪われている」といいます。

加えて、プラスチック汚染の化学的影響もあります。ポリ袋が暖かい水域で生分解を始めると、生態系に有害な化学物質を放出する可能性があります。

私たちにできること

プラスチック

プラスチック汚染を減らす簡単な方法の一つは、魚介類を食べるのをやめることです。工業的な漁業によって海に廃棄される膨大な量の漁具廃棄プラスチックの削減に貢献することができます。

プラスチック汚染と戦うもうひとつの効果的な方法は、使い捨ての包装材を最小限に抑えることです。コーヒー用のマイボトル、アルミ製のランチボックスやや水筒、布製の買い物袋など、再利用可能な代替品を使用します。

プラスチック

廃プラスチックを減らすためには、リサイクルも欠かせません。個人や産業界でのリサイクルスキームに加えて、廃プラスチックを使って新製品を作っているブランドもあります。

しかし、プラスチックが効果的にリサイクルされているのはごく一部であり、多くの生産者はプラスチック廃棄物の責任管理を怠っているという現状があります。

世界の取り組み

プラスチック

プラスチック汚染は大きな問題ですが、地域社会、企業、政府は環境への影響を減らすための対策を講じています。国連は2019年5月、180カ国が海のプラスチックの削減に協力することを誓ったと明らかにしました。ここでは、世界のプラスチック削減取組事例をご紹介します。

米国 マイクロビーズ禁止

2015年、アメリカでは化粧品やパーソナルケア製品へのプラスチック製マイクロビーズの使用を禁止しました。イギリス、カナダ、台湾、ニュージーランドを含む他のいくつかの国でもマイクロビーズの使用を禁止しています。

オーストラリア レジ袋禁止

ビクトリア州のすべての小売業者は、ポリ袋を提供した場合、重い罰金を科せられます。

メキシコ市 レジ袋禁止

メキシコシティはレジ袋禁止令を発令しました。この法律は生鮮食品を扱う業者を除くすべての事業者を対象としています。また、他の地域でレジ袋を生産している企業は、メキシコシティの事業者にレジ袋を販売することも禁止されます。

カナダ 使い捨てプラスチック禁止

カナダでは、プラスチックごみを減らすためのインフラが全域に導入されています。カナダのジャスティン・トルドー首相は、2021年までに有害な使い捨てプラスチックの全面禁止を目指すと発表しました。

タイ レジ袋禁止

タイは、主要な店舗やスーパーマーケットでの使い捨てレジ袋禁止を宣言しました。政府と小売業者によって組織された全国キャンペーンで、2021年までに全面的な廃止を目指しています。昨年、消化器系にプラスチックが入っている動物が数頭発見され、廃棄を減らすという国の決意が強化されました。

EU シングルユースプラスチック禁止

2018年、EUは発泡スチロールやシングルユースのストローを含む10種類の使い捨てプラスチックを禁止しました。ボトルやコップを含む他のプラスチック製品の製造業者に対する規制も厳しくなり、すべてのプラスチック製のボトルは2030年までに30%のリサイクルコンテンツを含む必要があります。禁止は2021年に施行されます。

ルワンダ プラスチックバッグ禁止

ルワンダでは、1990年代のジェノサイドからの復興の一環として、政府は環境保護に力を入れており、その中には使い捨てポリ袋の禁止も含まれています。ルワンダの禁止事項の中でも特に注目すべきは、使い捨てキャリアバッグの製造、使用、輸入、販売を、罰則つきで禁止していることです。違反した場合は罰金が科せられ、場合によっては実刑判決が下されることもあります。

カリフォルニア州 ストローとレジ袋禁止

カリフォルニア州は2014年にシングルユースのレジ袋を禁止した米国で最初の州であり、2018年にはプラスチックストローの一部禁止を実施しました。米国では、47万人以上の人々が、レジ袋を永久に禁止するよう求める請願書に署名しています。

ケニア レジ袋禁止

ケニアでは2017年に禁止されるまで、毎年数千万枚のレジ袋が使われ、使用済で廃棄された袋は地域の環境を汚染し、排水溝を塞いで洪水を引き起こしました。アフリカ大陸では、ほとんどの国がレジ袋の製造と使用の両方の禁止を導入しています。

イギリス レジ袋有料化 ストロー禁止

2015年、イングランドはウェールズと北アイルランドに続き、大型スーパーや店舗のキャリアバッグを有料としました。軽量キャリアバッグと使い捨て食品容器に関する更なる法律も明確化され、2024年12月までに施行されます。今後5年間で、シングルユースプラスチックに関する政策が発効されます。

2018年4月には、プラスチック製のストロー、綿棒禁止が発表され、2020年4月に発効されます。

ウェールズ政府は、2050年までにウェールズをゼロウェイストにすることを目標としています。同国はまた、シングルユースのプラスチックをすべて段階的に廃止し、リサイクルの世界的リーダーになることを計画しています。

バングラデシュ ポリ袋禁止

バングラデシュ政府は、2002年に初めて軽量ポリ袋の全面禁止を導入しました。これは、レジ袋のポイ捨てによる洪水被害が甚大で、国の3分の2以上が水没したことを受けてのことでした。

バングラデシュはまた、プラスチックに代わる有益で自然な代替手段を生み出しました。科学者がジュート(麻袋の原料となる植物繊維)をプラスチックのような素材に変える方法を発見したのです。この新しいバッグは生分解性があり、リサイクル可能です。