BBCが放送した「The Dark Side of Dairy」は、酪農業における残酷な現実を描き出しています。
BBCによれば、このプログラムは、乳牛の赤ちゃんの虐待に光を当てることを目的としたものです。
番組では、まず、生まれたばかりの雄の子牛に何が起こるかを映し出します。
人間と同じように、お母さん牛が子牛のために出す母乳は赤ちゃんを産まなければ出ません。
乳牛は、その乳を出させるために、人工授精され、生まれた子牛を引き離すことで人間が母乳を搾取します。
圧倒的多数のケースで、子牛は生まれてからほんの数日、場合によっては数時間で母親から引き離されます。
乳用子牛に降りかかる残酷な「dirty secret(汚れた秘密)」
子牛が女の子の場合、母親と同じ運命に直面する可能性が高く、十分な量の牛乳が生産されなくなり「廃牛」として屠殺場に送られるまで、出産するすべての子供を奪われることになります。
子牛が男の子の場合、殺されるまで「子牛クレート」と呼ばれる小さな檻に閉じ込められる運命にあります。
「雄の子牛は余剰」匿名酪農家の告白
ガーディアン誌は以下の記事で、
➡Dairy’s ‘dirty secret’: it’s still cheaper to kill male calves than to rear them
牛を販売する場合、子牛1頭あたり最大30ポンドの費用がかかりますが、早期処分にはわずか9ポンドしかかかりません。後者の選択肢を採用せざるを得なくなった酪農家の数は増えており、直近の数字では95,000頭の雄の子牛が生まれてすぐに農場で殺害されています。
としたうえで、匿名の酪農家の発言として、
酪農は牛乳を出す雌牛に生産を依存しているため、雄の子牛が生まれてもそれは余剰でしかありません。雄の子牛が生まれた際、農家にはいくつかの選択肢があります。
最も費用がかからない方法は、自分で射殺するか、knackermanと契約することによって、子牛をすぐに殺処分することです。
子牛を売ったり、食肉用に販売することもできますが費用がかかってしまいます。
いくつかの農場では、子牛を母親と一緒に長く飼うことを試みていますが、利益にならないためほとんど選択されないオプションです。
と告発しています。
利益のために殺される子牛たち
雄の子牛の早期処分は「dirty secret(汚れた秘密)」として知られ、誰もそれを楽しんではいないといいます。
ガーディアン誌によれば、
子牛が牛肉として出荷できるまで飼育を続けると、農家は2〜4週間、1日あたり約2ポンドを費やし、購入者が興味を引くのに十分な体重になるまで育てなければなりません。
この費用には、子牛を市場に出すための出産証明や請求書登録などの事務費用は含まれていません。
対照的に、子牛の射殺にかかる費用はわずか9ポンドです。
これには、死体を焼却したり、場合によってはペットフードに変えたりするknackermanの費用が含まれます。
農場で射殺した雄の子牛は、認可された焼却炉を持っている農場だけが自分で処分することができるのです。
生きたまま輸出入される動物たち
この調査番組はまた、生きている家畜が長く窮屈で劣悪な環境の旅に耐えることを余儀なくされている、生体動物貿易の現実を明らかにします。
日本でも多くの動物が生きたまま輸出入されていることが、動物検疫所統計から読み取れます。
貿易輸送において動物がおかれる過酷な環境に、多くの関係者や立法者が生たた動物の輸出に反対する声を上げています
EU離脱後の英国では、この残酷な慣行の禁止を求める請願書が議会で議論され、ウェールズ政府は、生きた動物の輸出を独自に禁止することも検討しています。