地球の表面の70%以上を占める海は、世界の酸素の半分以上を生成します。
そこには、まだ人間が知らない名前すらつけられていない生物が70~100万種生息しているともいわれます。
さらに、深海には1億もの種が存在する可能性があると信じる科学者もいますが、海洋の80%以上は海洋図すら作成されておらず、探査されていないため、追跡調査することは困難です。
海は死にかけている
「海は驚くべき速さで破壊されている」と、雑誌「Current Biology」に発表されたレポートは警告しています。
➡The Location and Protection Status of Earth’s Diminishing Marine Wilderness
世界の海の87%が人間活動による影響を受けてすでに死に絶え、生態系に影響を与えていない海は13%であることが明らかになりました。
研究者らは、巨大な漁船隊による漁業、世界的な海運物流、そして陸地から流出する汚染物質が気候変動と相まって、海洋環境を悪化させているといいます。
オーストラリアクイーンズランド大学のケンダル・ジョーンズ氏は、
人間の活動が地球を支配する以前は、海洋生物が多数存在し海が活気に満ちていた痕跡は多く見られます。現在の漁業に費やされる補助金は削減される必要があります。二酸化炭素排出量を減らす最も効果的な方法は、肉を捨てることです。畜産農業は、輸送手段(地球上のすべての車、バス、電車、飛行機)よりも、温室効果ガスの排出量が多くなります。畜産農業の排出量は化石燃料よりも問題が多いため、代わりに植物性代替肉にすることは、地球と私たちの海を助ける強力な方法です。
と語りました。
➡Almost all world’s oceans damaged by human impact, study finds
今すぐできる7つの方法
乱獲、プラスチック汚染、地球温暖化による海面上昇は、海を死に追いやる大きな原因です。
これらの社会問題は、絶望的なまでに深刻で、解決するのは不可能だと感じることもあります。
しかし、私たちが意識して行動を変えることで、この危機的な状況に変化をもたらす方法はいくつかあります。
今回はそのうちの7つを紹介します。
代替シーフード
WWFによると、持続不可能な漁業は「海洋生物と生息地に対する最大の脅威」です。
漁業による乱獲は、意図しない海洋生物も混獲され、毎年何十億もの魚やその他の海洋動物が死亡しています。
専門家は、世界の海には2048年までに魚がいなくなると予測しています。
WWFによると、地球上の漁船の数は、海にいる魚の量の2〜3倍多いとみています。
天然資源の減少に危機感を抱いた海洋生物産業は、養殖に解決を求めようとしていますが、WWFは、養殖魚や貝の養殖場による汚染、過密飼育による病気や寄生虫の増加、それにより抗生物質の使用が促され、さらに、平行して天然魚の漁も行われているため、養殖は海洋環境を破壊していると指摘しています。
さらに、養殖魚1㎏を育てるためには、野生の魚2㎏以上が餌として必要とされます。
まだ日本では一般的ではない代替シーフードですが、すでにGood Catchの代替ツナがiHerbで購入できます。
脱プラスチック
再利用可能なコーヒーカップやストローを利用すれば、廃棄物の削減に役立ちます。
OCEAN PLASTICS POLLUTIONは「私たちの海やビーチに蓄積するプラスチックは世界的な脅威になっています。2050年までに、海は、魚よりもプラスチックが多くなるでしょう」と述べていいます。
毎年、何千もの海鳥、ウミガメ、アザラシ、クジラ、イルカ、魚が誤ってプラスチックを飲み込んだり、それに絡まったりして命を落としています。
今世紀最初の10年間で、人類は、西暦2000年までに生産した全てのプラスチックよりも多くのプラスチックを生産しました。
さらに、次の10年間で、化石燃料産業はプラスチック生産を40%増やす計画でいます。
プラスチックの分解には何年もかかります。
EPAによると、 ポリ袋は分解するのに最大で1000年かかるため、これまでに製造されたあらゆるプラスチックは分解されずに残っています。
最近は、プラスチック問題に対する意識が高まり、多くの人々が、海洋と海洋生物への影響を減らすためにプラスチックを避ける選択を行っています。
- 使い捨てのペットボトルを購入する代わりに再利用可能な水筒を使う
- 外出時は、ステンレスなど再利用できるストローを持ち歩く
- カフェなどでは、ストローなしで飲めるものをオーダーする
- 食料品を購入するときは再利用可能な買い物袋を持参し、プラスチック包装されていない農産物を選ぶ
ビーチをきれいに
ビーチで過ごしたとき、そこに残すのは足跡だけにして、自分が出したゴミや持ち物は全て持ち帰ります。
Take 3 For The Seaは、ビーチを離れるときに、他のゴミを3つ持ち帰るようすすめています。
このキャンペーンは、129か国で毎年1,000万個のゴミを取り除くことに貢献しています。
また、ゴミだけではなく、リーフセーフの日焼け止めを使うことで、海の汚染を削減することができます。
一般的な日焼け止めに含まれるオクチノキサートやオキシベンゾンなどの化学物質は、サンゴの栄養素を奪ったり、海洋生物の発達を阻害するなどの害を及ぼす可能性があります。
ThinksportのSafe SunscreenやSun Bumのミネラル日焼け止めローションなど、環境にやさしいビーガン日焼け止めなどをお勧めします。
海洋生物搾取のないファッション
絶滅危惧種の亀タイマイから作られたサンゴやパールのジュエリー、サメ製品、べっ甲のアクセサリー等は全て海の生態系に損害を与えています。
海洋生物搾取のないビーガンアクセサリーのいくつかは、購入することで、地球を助けることもできます。
100%再生プラスチックボトルから作られた4oceanのブレスレットは、美しい海を守るメンバーであることを示し、使い捨てプラスチック消費を抑制するための注意喚起として機能し、購入費は、海岸からゴミを取り除くための資金になります。
環境に優しい洗剤を使う
環境に優しい洗剤を使用することは、地球環境への影響を最小限に抑えるために効果的な方法です。
海の近くに住んでいなくても、農薬や家庭用洗剤などの化学物質は、水路を通って移動し、最終的には海に到達して、海洋動物の健康に影響を与える可能性があります。
未処理の下水、ごみ、肥料、殺虫剤、工業用化学物質、プラスチック…陸上のほとんどの汚染物質は、最終的に海に流れ込み、ゴミとして漂うか水に溶けこみ流出します。
この汚染は海洋食物連鎖全体、つまり人間にまで及んでいます。
環境に配慮したビーガン向け製品を選択することや、可能であれば洗剤の使用を制限することも有効な方法です。
多くの場合、重曹、酢、などのシンプルで毒性のない材料を使用して、家事をこなすことができます。
カーボンカット
二酸化炭素排出量を削減すると、海の健康を向上させることができます。
二酸化炭素は地球に大きな影響を与えています。
二酸化炭素の排出は、地球温暖化を促進し、水温・海面を上昇させ、サンゴの白化を引き起こし、種の分布をシフトさせ、海洋酸性度を上昇させます。
海は二酸化炭素を大気の50倍多く貯蔵しているので、レベルを低く保つことは海の健康にとってとても重要です。
GoVegan
ビーガンを目指すことは、地球とそこに住む人々を助けるために最適な行動です。
畜産農業が地球に与える影響を調査した画期的な研究を行ったオックスフォード大学の研究者ジョセフ・プーア氏は次のように述べています。
ビーガンに移行することは、フライトを削減したり、電気自動車を購入したりするよりもはるかに大きな効果があるものです。環境破壊の原因となっているのは動物性製品であり、畜産農業はあらゆる環境問題にまたがるセクターです。

まとめ
地球、動物、そして私たちの健康に対する動物性製品の影響についてこれまでになく多くの人々が注目しています。
関心が高まるにつれ、利用可能なビーガン製品の数も増え、美味しいビーガンフード、美容製品、残虐行為のない製品が多く出回り、ビーガンを目指すことが簡単になるだけでなく、楽しくなります。
健康な地球は私たち人間の生活を強化します。
プラントベースの動物搾取のないライフスタイルは、そうなるための最良の方法です。