元養鶏農家のマイク・ウィーバー氏は、鶏を殺すことをやめて麻の栽培を始めました。
畜産農業から植物栽培への移行を実現できたのは、植物栽培に切り替えたいと考える畜産農家と、代替肉や植物性ミルクなどのプラントベースな商品を作りたい新興企業を結びつけるMercy For Animals Transfarmation Projectの支援によるものです。
Mercy For Animals Transfarmation Project は、起業家、活動家、などのチェンジメーカーと共に、より良い食料システムの構築に参加することを手助けするシステムを提供しています。
苦痛を感じ、家族や仲間とのコミュニケーションを好み、感情がある動物を搾取し利用することや、森林破壊、飢餓、慢性疾患に至るまで、社会の大きな問題の多くに対処する効果的な方法は、食生活を変えることです。

動物産業に依存する現在の食料システムは破壊されつつあり、持続不可能だといえます。
これは、結局のところ、畜産農家にとっても良いことではありません。
社会問題の解決は、科学者や政治家、消費者だけではなく、食物と農業システムの現場をよく知っている畜産農家も変化の一部を担う役割があり、またそうあるべきです。
消費者は、現代の工業化された畜産によりもたらされるアニマルウエルフェアの欠如や、環境破壊、自らの健康を損なうといった懸念に気づき始めています。

養鶏からヘンプ栽培農家へ
ウェストバージニア州に本拠地を置くウィーバー氏は、古い鶏小屋を使用して産業用ヘンプを栽培しています。
これにより、鶏を犠牲にせずに済み、1エーカーあたりのCO2排出量は大きく減少し、また、より多くの収入を得られるようになり、養鶏を営んでいたときの4倍の従業員を雇用しています。
このショートビデオは、Mercy For Animalsの代表であるリア・ガルセス氏がウィーバー氏を訪問し、以前、45,000羽のブロイラーを飼育していたスペースの新しい活用計画について話しています。
ウィーバー氏は、「この農場が、多くの新しい仕事や収入を生み出すことを願っている」と言います。
2016年、多国籍食品会社Pilgrim’s Pride社の契約鶏肉生産農家は、動物福祉上の懸念から、米国における養鶏産業の残酷な現実を明らかにし、非人道的・非倫理的な労働環境を示しました。
Pilgrim’s Pride社は、米国最大の鶏肉製品生産者の1つであり、KFC、Walmart、およびCostcoに鶏肉を供給しています。
ガルセル氏がウィーバー氏に、大規模な動物農業により誰が恩恵を受けているのか尋ねると、「主にウォールストリート企業でしょう。Pilgrim’s Pride社は、私が育てた鶏で2015年と2016年に株主に12億ドルの配当を支払いました。しかし、それは間違えている…だから私はそれを変えるために自分の役割を果たそうとしている。」
牛農家から有機栽培農家へ
他にも、動物福祉、環境、倫理的な理由などで畜産農業から離脱する農家は存在します。
昨年のオックスフォード農業会議に参加した農家の40パーセントは、農業の未来はビーガンに対応することであり、畜産農業コミュニティはそれに適応しなければならないと考えています。
2018年の短編ドキュメンタリー映画「73 Cows」は、肉用牛農家のジェイ・ワイルド氏が彼の牛をアニマルサンクチュアリに移し、代わりに持続可能な有機農業を始める様子を描いています。

「牛を屠殺するたびに自分の良心と葛藤し続けてきた」と述べるジェイ・ワイルド氏は、「自分がもはや信じることができない産業に閉じ込められていると感じ、変えなくてはならない、そして他の畜産農家がこれまでにしたことがない選択をしなければならないことに気がついた」と語ります。
この映画は’Raindance Film Festival’で初上映され、OIVFF(オタワ国際映画祭)で最優秀賞を受賞、また ‘Short of the Week’受賞、バーミンガム映画祭で最優秀ローカルフィルムにノミネートされました。
鶏と牛農家からキノコ栽培農家へ
アーカンソー州の鶏と牛の畜産農家ジェニファーとロドニー・バレット夫妻は、畜産農業で働く人々がより持続可能で倫理的な農業に移行するのを助ける Rancher Advocacy Programの支援を受けてキノコ栽培農家になり畜産業を辞めました。
➡Our Journey From Cattle & Chicken Farmers to Vegan Mushroom Farmers
ジェニファーは、「私は鶏の見方が変わりました。彼らの恐怖と苦しみを見ると心が壊れ始めました。私にとって鶏は製品ではなく生きている仲間だと理解しました。私たちは間違えていた」と語り、鶏小屋はキノコ栽培用の小屋に改築しました。