Veganの方はご覧になった方も多いかと思いますが、2019年5月16日付の「インディペンデント」にこんな記事が掲載されました。
“Millions of songbirds vacuumed to death every year during Mediterranean olive harvest.”
“2.6 million birds are sucked out of trees and killed every year in Andalusia “
オリーブの収穫期には、毎年、何百万もの美しい声でさえずる鳥が吸い込まれ命を落としている。
スペインアンダルシア地方では毎年260万羽の鳥が吸い込まれ殺されています。
今回はこの記事の内容を説明し、私たちにできることを考えます。
何がおきているのか
冬の間、中央および北ヨーロッパから地中海盆地に渡ってくる鳥たちは、ちょうど収穫期(10月~1月)を迎えるオリーブの枝をねぐらとして休みます。
近年のオリーブの収穫は、オリーブオイルブームによって急激な増産を迫られたこともあり、夜間に、吸引機つきの大型トラクターで行われています。
そのため、トラクターが照らす人工的な光を突然あてられた鳥が目を眩まし、方向性を見失って「壊滅的な規模で」トラクターに吸い込まれ命を落としているのです。
日中に収穫すればこのような悲劇は防げますが、オリーブは気温が低いときに収穫したほうが香りが良いという理由から、夜間に集中的に収穫されます。
アンダルシアの当局者は夜間収穫を中止することを推奨しているものの、研究者は、法律が可決されない限り継続されると警告します。
RSPBの保全担当ディレクター、マーティンハーパーは「ヨーロッパの農地鳥の数は過去30年間で55%減少した」と述べています。
私たちが出来ること
おそらく、香り高いオリーブオイルを生産するために、美しい声でさえずる小鳥たちが命を落としていることはあまり知られていないと思います。
アンダルシアのオリーブは世界最大のオリーブ生産地であるスペイン国内生産の約80%を占め、世界のオリーブオイルの生産量のおよそ3分の1を占めるともいわれています。
Veganは、「可能で実用的な範囲で動物の搾取をしない」ライフスタイルです。
動物の犠牲のうえに収穫されたオリーブで作られたオイルは、他に選択肢があるならば避けたいものです。
ⅰオリーブオイルを避ける
ひとつはオリーブオイルを使わないという選択肢があります。
オリーブオイルが苦手だったり、そもそもあまり使わない場合は問題なく実施できるでしょう。
しかし、今やオリーブオイルは日常的に使われていますので例外的な対応だともいえます。
ⅱ「手摘み」オリーブのオイルを使う
厄介なことに商品表示から、原料であるオリーブがどのように収穫されたのか読み取ることはできません。
鳥を犠牲にせず収穫したオリーブで作られた確からしさを見分ける目安としては「手摘み」オリーブで作られたオリーブオイルを選ぶという方法があります。
当然といえば当然ですがどれも割高です。
それぞれの事情がある中で判断することではありますが、鳥の犠牲のうえに大量生産された安価なオリーブオイルを避けることは、脱動物搾取の意思表示の一環ともいえます。
東洋オリーブ(株)小豆島手摘みエキストラバージンオリーブオイル
昭和30年創業の老舗オリーブオイル企業。小豆島産オリーブ100%、手摘みで収穫した果実を自社採油したエキストラバージンオリーブオイル。
アグリーオリーブ小豆島 小豆島産100%エキストラバージンオリーブオイル
小豆島の農園で丁寧に手摘みされた希少なオリーブ果実を100%使用した一番搾りのオイル。若草の香りと風味豊かな味わい。
瀬戸内エキストラバージンオリーブオイル
良質の手摘み国産オリーブオイル100%のエキストラバージンオリーブオイル。かがわオリーブオイル品質表示制度「プレミアム」認定商品。
OLIVE ISLAND 小豆島産手摘み100%「蒼」EXVオリーブオイル
小豆島のオリーブ農園で、一粒ずつ丁寧に手摘みした香りの良い品種(ルッカ)の新緑の果実のみに限定し搾油したエキストラバージンオリーブオイル。新緑の果実ならではの爽やかな香りとスッキリとした味わいが特徴。
ⅲ思いを巡らせ伝える
少なくともこの記事を読んでくださり事実を知った皆様は、スーパーに大量に並べられたオリーブオイルを目にしたら、その陰で犠牲になっている小鳥たちがいることをどうか思い出してください。
そして、家族や友人に、風味豊かなオリーブを生産するために命を落とす小鳥たちがいることを伝えていただけないでしょうか。
消費する商品がどのような経緯を経て目の前に提供されているのか、考え知ることは賢い消費者となるためにとても大切なことです。