適正価格とは何か Veganがフェアトレード商品を選ぶ理由

カカオEnvironment

最近は日本のスーパーでもよくみかけるようになったフェアトレード商品。

普通の商品に比べると価格が高いと感じる方も多いと思います。

しかし、市場価格が安い=適正価格、とは限りません。

フェアトレードの仕組みを知ると、「適正」とは何かが見えてきます。

今回は、数あるフェアトレード生産品の中からカカオを例に、フェアトレードの仕組みを簡潔にわかりやすく説明します。

カカオ

フェアトレードとは

フェアトレードとは、直訳すると「公正な貿易」という意味です。

つまり、弱い立場の生産者が、生産物を不当に安い価格で買いたたかれたり、児童労働・強制労働、差別など劣悪な労働環境で労働力を搾取されたりすることを防ぎ、民主的な運営や、最低価格の保証、長期的な取引などを確保しようとするシステムです。

国際フェアトレード基準

具体的には、たとえば、フェアトレードチョコレートを購入すると、カカオ農園で働く農民に、カカオ1トン当たり200ドル(約2万円)の割増金が支払われます。この割増分は共同積立金に回され、農民が適切と思う使途に利用されます。

国際フェアトレードラベル機構(FLO)が設けたこれらの基準を満たす商品には認証ラベルを貼ることが出来、消費者が商品を選択する際の目安となっています。

国際フェアトレード認証ラベルについて

日本におけるフェアトレード認知

2016年の国際市場におけるフェアトレード・プレミアム(貿易量に応じた輸入業者から各生産者組織への直接保証:上記「割増金」)は、1億5000万ユーロ(約180億円以上)と過去最高額に達しました。

特にカカオのフェアトレード認証製品は対前年比34%増と大幅に伸長しています。

日本でも、カカオの認証製品は、各社が自社ブランド製品の原料をフェアトレードに切り替えたり、品数や販売先を増やすなどして、前年比26.8%増と拡大しました。

しかし、世界市場7200億円の内、日本が占める割合はわずか1%であり(日本経済新聞2016.3.3)、消費市場における認知度の低さが浮き彫りとなっています。

カカオ農園の現状

カカオ

開発途上国では1400万人もの人たちがカカオ生産によって生計を立てているといわれます。

開発途上国が抱える深刻な問題のひとつに児童労働がありますが、その温床の一つとして明らかになっているのがカカオ農園です。

カカオ農園で働く農民の日給は平均60ペンス(約80円)にすぎず、貧困による負のスパイラルから抜け出すことを難しくしています。

子供たちの多くは、家族や人身売買業者によって強制的に働かされ、学校に通えず、炎天下での長時間におよぶ力仕事など劣悪な労働環境におかれています。

また、一般的にカカオは商品先物取引の銘柄のひとつで、投資家によって相場が形成されます。

つまり、価格が、需給バランスや、国際情勢、他の投資商品とのバランスで乱高下するという特性があり、生産者が自ら値付けを行うことができないうえに安定しないという問題もあります。

フェアトレードのメリット

カカオ

フェアトレードを行うことで、生産者の生活改善や経済的自立を助けることができ、消費者にとっても、認証された高品質の商品を安心して入手できるというメリットがあります。

国際フェアトレード基準を満たした製品は、児童労働のない、安全な労働環境により生産された商品であることを保証しています。

乱高下する国際市場価格に対し、生産者が対価を得られるフェアトレード価格での取引は、児童労働を生み出す「貧困」の連鎖を断ち切ることにもつながります。

フェアトレードにより生産者が適正で安定した収入を得ることができれば、子どもを働きに出すようなこともなくなり、適切な教育を受け、貧困スパイラルから抜け出す足掛かりを得ることが出来るからです。

また、フェアトレードでは環境面でも厳しく基準が定められており、森を破壊したり、危険な農薬を使ったりすることなく自然環境を守りながら生産することが求められますので、そこで暮らす野生動物を守ることにもつながります。

消費は私たち消費者がお金を払って行う投票です。買い物をする際には、その商品がどう作られたのか、想像をめぐらせながら選択したいですね。